落合 由利子 写真 北川 直実 著 室田 元美 著
ジャンル:社会・歴史
四六判 並製 224頁
価格:¥ 1,800+税
ISBN 978-4-907239-15-2
現代の若者が、70年前の若者の戦争証言を「同世代」の物語として読む----「戦後100年」を見据えた一冊。
Tweet「1945年に同世代だった戦争体験者へ手紙を書いてみませんか?」
そんな呼びかけに応じた15人の若者たちが、戦争体験者の証言を読み、そして手紙を書くーー
70年前の体験を同世代の物語として読み直すことは、「戦後100年」を迎えるための第一歩となった。
はじめに あの日の若者へ、今の若者から 室田元美
地図 「15人のアジア・太平洋戦争」
東京大空襲で被災 清岡美知子
「自分だけ助かって、どうして父と姉を助けられなかったのか。長い間の心の傷です」
───清岡美知子さんへの手紙(アイザワ祥子)
戦場、シベリア、戦犯管理所での十六年 金子安次
「結婚して子どもができてからだよ。自分がやったことを、心から悔いたのは」
───金子安次さんへの手紙(関口純平)
ずいせん学徒看護隊に従軍 宮城巳知子
「日本人は沖縄を差別したってことが、ずっと頭のなかにあるさ」
───宮城巳知子さんへの手紙(南茂芽育)
原爆できょうだいをすべて失った 池田早苗
「平和を守れるのは、生きていてこそなんですよ」
───池田早苗さんへの手紙(市村平)
満蒙開拓団の後、中国内戦を生き抜く 山谷伸子
「生き別れたあの子に会えたならば、『申し訳なかった』と言いたかった」
───山谷伸子さんへの手紙(呉兆煒)
飢えとマラリアのニューギニア 塚原守通
「若い人たちよ、二度とだまされるな」
───塚原守通さんへの手紙(元山仁士郎)
十五歳で七三一部隊少年隊員に志願 篠塚良雄
「わしたちは、ものを判断しなくなって動くロボットにさせられたんです」
───篠塚良雄さんへの手紙(加藤大吉)
辺野古の沖縄戦 島袋妙子
「戦争を生き延びたのに、なんでまた、戦争のための基地造る?」
───島袋妙子さんへの手紙(岡田基実)
広島の原爆に戦後も苦しむ 石見博子
「『あの時、焼け死んでおれば』と思った十八、九の頃を、忘れられない」
───石見博子さんへの手紙(長島楓)
泰緬鉄道の捕虜監視員として死刑囚に 李鶴来
「死んでいった友の言葉が、ずっと私の中にある。生きているうちに、彼らの名誉を回復したい」
───李鶴来さんへの手紙(大村浩之)
東京から信州へ学童疎開を引率 岩瀬房子
「命がいちばん大切、と子どもたちから教わった」
───岩瀬房子さんへの手紙(武井佑紀乃)
沖縄戦で鉄血勤皇隊に動員 金城幸裕
「もし若者が戦争に行かされそうになったら言いますよ。『逃げろ』と」
───金城幸裕さんへの手紙(李永晧)
中国で戦闘部隊に従軍 品川正治
「戦争を起こすのも人間。それを許さず止める努力ができるのも人間」
───品川正治さんへの手紙(三目直登)
長崎で被爆者を治療 久松シソノ
「生き残ったのも運命ですから、なんでも一生懸命やらんとね」
───久松シソノさんへの手紙(杉村天)
強制疎開させられ、マラリアに 仲底善光
「シャマーが打たれて死んだこと、いまでも絶対に許さない」
───仲底善光さんへの手紙(畑江奈つ希)
撮影を終えて 落合由利子
あとがき 北川直実
資料 もっと「戦争」を知りたい人のためのブックリスト
もっと「戦争」を知りたい人のための平和博物館・美術館&アーカイブ
告知 1945年、戦争の時代を生きていた若者たちに あなたも手紙を書いてみませんか?
写真家。日本大学芸術学部卒。卒業制作「WINDOW'S WHISPER」で芸術学部賞受賞。「母の友」(福音館書店)に「戦争は知らないけれど」を連載中。著書(写真・文)に『絹ばあちゃんと90年の旅ー幻の満州に生きて』(講談社)、『働くこと育てること』(草土文化)がある。
日本航空機内誌「ウインズ」編集部チーフエディターを経てフリーランス編集者に。企画・編集した書籍に『難民と地雷』(草土文化)、『忘却に抵抗するドイツ』(大月書店)、『ドキュメンタリーの力』(寺子屋新書)などがある。「スプリングボード」(青年海外協力協会)元編集長・編集委員。
フリーランスとして女性誌ライターやFMラジオの構成作家を経て、戦争や東アジアの近現代史について取材活動や執筆を続けている。『ルポ悼みの列島』(社会評論社)で第16回「平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞」を受賞。著書に『いま、話したいこと 東アジアの若者たちの歴史対話と交流』(子どもの未来社)などがある。